PG Queen America☆★☆




徒然なるままの50代女性がすなる日記といふもの。

マレーシア エピソード4

生暖かい風が吹いているSFです。
雨が降るのでしょうか。
緊急事態のお仕事が入り、只今猛勉強中。



マレーシアの続き、行きます。最終編!


ボロボロになってホテルに着くと、予定通りのフライトで先に飛んで、今夜は違うところに宿泊のはずの友人S家族の姿がロビーに。
あちらも心なしか疲れ果てた感が漂っています。
「どうしたの~?」
と近づくと、
「ず~っと、待っていたの。あのね、あのね、あなた達のチケット私が持っていたの~!!ごめんね~!!!!!!!!!!!!!」
「え~~~~~!!!!!!」


KLに向かうフライトの中で、私たちの惨状を目の当たりにして、「私もチケット失くしたらいけないから確認しておこう♪」
なんて、ポーチをチェックしたら、そこに私たちの分のチケットが~~~!!
ということだったらしい。
一瞬なかったことにしてしまおうかとよぎったらしいけれど、それではあまりにヒドすぎる、とビクビクご主人に告白したら、誰よりも真っ青になったご主人様。
彼はなぜか私のことを相当恐れているのです。
夫がどんな入れ知恵してるのか知りません。
彼は生きた心地もせず、
「これはもう、誠意を見せるしかない!ホテルのフロントに預けるんじゃダメだ!ロビーで一日でも何日でも待って直に謝ろう!」
と、なったそうでございます。


あぁぁぁぁぁぁ。一日中ランカウイの空港オフィスとKL空港のオフィスに缶詰めで、待って暴れて、暴れて待って のこの時間。大人だけならまだしも、幼子二人を抱えて、本当に辛かったんだよぉぉぉぉ!
携帯が国外で使えなかった頃の悲劇でございます。


もう私は言葉も出ず、「あってよかった。明日バンコクに帰れるわ。」と言うのがやっとでした。
物凄い上から目線で怒り狂ってしまった航空会社の人に連絡しなければ。
めちゃめちゃ気まずいではありませんか。
もちろん、夫に電話させました。
「チケットありました~。友達が持っていたので。お世話かけてすみません~。ありがとうございました~。」と、こんな時に軽く言えるのは、あの、超ポジティブ能天気男しかいないのでございます。
なんか、頼りになるわね。変だけど。


もう、起きてしまったことはどうしようも出来ないので、友人S家族ともぎくしゃくとお別れし、とにかくお部屋にチェックインしてベッドにダイブイン!
の、とたん、夫が、「こっちでカルティエの時計安いんだよね~。買いに行きたいな~。」
ああ、やはりあなたはただの能天気野郎。
はいはい、カルティエだろうが、ロレックスだろうが、ピアジェだろうが買いに行け!どこにでも行ってしまえ!ついでに、暴動に巻き込まれてしまえ!
彼は相変わらず厳戒態勢(のようには全く見えない)のKLの街に繰り出したのでした。


そして私も能天気野郎。他人様のことを全く責める資格はないのでございます。
「こんなに大変な目にあったんだから、高級フレンチにでも行かないとね~。」
ホテルのベビーシッターサービスも手配して、お勧めレストランをコンシェルジェにチェック!
そのディナーの席で、夫にちょこっと、
「もう、今回は最初からやられっぱなしよ。もう、本当に疲れちゃった。」
と、愚痴り始めたら
「もう!終わったことを言っても仕方ないじゃないか。いつまでも済んだことをグチグチ。君は考え方が暗いんだよ!」


ピキーン!


何かが切れた音がしましたね。
もう、夜中までお話し合い大会(という名のお説教大会)決定!
大体、何でもかんでも私にやらせて、どんな苦労かも知らずに「暗い」で済ませるとは何事か!
こういう時の正解は、
「お疲れ様。本当に大変だったよね。頑張ってくれた君の努力に感謝してるよ。ただ、家族が安全で元気にいるんだから、それでよかったって思おうよ。それが一番大事なことだから。」
って言うのよ!
夫にはいくら考えさせても自発的に正解を出すことが出来ないことがわかっているので、いつも正解を教えてあげます。
夫はすかさず、
「本当に大変だったね。感謝してるし、家族に何事もなくいられるんだから、大丈夫だよ。」
と、オウムのようにのたまいました。


翌日無事にバンコクへもどりました。
愛するメイドさんが家をピカピカに整えてくれているし、旅行後のゲッソリ感は日本より全然ありません。
早速、土産話会と称して仲間たちを呼び集め、ことの一部始終を皆にシェアしたのでございます。
女友達は飲み込みが早くて良いですね。女性の方が頭が良いのかしらね。
うんと共感してもらえて、このエピソードも無事に笑い話に昇華されたのでした。


おしまい。